投資信託を選ぶとき、つい「どのファンドが値上がりしそうか」とリターンばかり気にしていませんか。実は、手数料(コスト)の方がリターンよりもずっと重要です。
リターンは不確実ですが、手数料は確実にかかります。年0.1%の手数料差でも、20年・30年の長期運用では数十万円〜数百万円の差になることがあるのです。
この記事では、投資信託にかかる手数料の種類と、本当に安いファンドの選び方を詳しく解説していきます。

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投資信託にかかる3つの手数料
1. 購入手数料(販売手数料)
投資信託を購入する際にかかる手数料です。ネット証券では多くの投資信託がノーロード(購入手数料無料)なので、あまり気にする必要はありません。
ただし、銀行の窓口で購入すると2〜3%の手数料がかかることもあります。100万円分購入した場合、2〜3万円が手数料として差し引かれる計算です。ネット証券で購入するのが鉄則です。
2. 信託報酬(運用管理費用)
投資信託を保有している間、毎日差し引かれるコストです。これが最も重要な手数料です。
信託報酬は年率で表示されますが、実際には毎日日割りで差し引かれます。目に見えにくいコストのため、気づかないうちにリターンを削っているのです。
目安としては以下の通りです。
- インデックスファンド:年0.05〜0.2%程度(安い)
- アクティブファンド:年1.0〜2.0%程度(高い)
3. 信託財産留保額
投資信託を売却(解約)する際にかかる手数料です。最近はこれが0%のファンドが主流になっており、人気のeMAXIS Slimシリーズなどはすべて0%です。
手数料の差がどれくらい影響するか|シミュレーション
「たかが0.数%の差でしょ?」と思うかもしれませんが、長期投資ではこの差が驚くほど大きくなります。
条件:毎月3万円を20年間積立、年利5%で運用した場合
| 信託報酬 | 20年後の資産額 | 最安との差額 |
|---|---|---|
| 年0.05% | 約1,220万円 | — |
| 年0.5% | 約1,138万円 | 約-82万円 |
| 年1.0% | 約1,057万円 | 約-163万円 |
| 年1.5% | 約982万円 | 約-238万円 |
0.05%と1.5%の差は、20年で約238万円にもなります。同じ指数に連動するインデックスファンドでも、信託報酬が違うだけでこれだけの差が生まれるのです。

手数料が安い投資信託ランキング
全世界株式カテゴリ
| ファンド名 | 信託報酬(年率・税込) |
|---|---|
| 楽天・プラス・オールカントリー | 0.0561% |
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 0.05775% |
| はじめてのNISA・全世界株式(オール・カントリー) | 0.05775% |
| SBI・V・全世界株式 | 0.1338% |
米国株式(S&P500)カテゴリ
| ファンド名 | 信託報酬(年率・税込) |
|---|---|
| 楽天・プラス・S&P500 | 0.077% |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.08140% |
| SBI・V・S&P500 | 0.0938% |
| iシェアーズ 米国株式(S&P500) | 0.0938% |
先進国株式カテゴリ
| ファンド名 | 信託報酬(年率・税込) |
|---|---|
| eMAXIS Slim 先進国株式 | 0.09889% |
| たわらノーロード 先進国株式 | 0.09889% |
| ニッセイ外国株式 | 0.09889% |
「実質コスト」にも注目しよう
信託報酬は「表面上のコスト」にすぎません。実際にはこれ以外にも、売買委託手数料や監査報酬などの「隠れコスト」がかかっています。
これらを含めた総コストを「実質コスト」と呼びます。実質コストは運用報告書で確認できますので、気になる方はチェックしてみてください。
ただし、人気のインデックスファンド(eMAXIS Slimシリーズなど)は隠れコストも小さいため、信託報酬の比較だけでもほぼ問題ありません。

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手数料が安いファンドの選び方
ステップ1:投資対象の指数を決める
まず「どの指数に連動するファンドが欲しいか」を決めます。全世界株式(MSCI ACWI)なのか、S&P500なのか、先進国株式なのかを選びましょう。
ステップ2:同じ指数に連動するファンドを比較する
同じ指数に連動するインデックスファンドは複数存在するため、その中から信託報酬が最も安いものを選びます。
ステップ3:純資産総額をチェック
信託報酬が安くても、純資産総額が小さすぎるファンドは避けたほうが無難です。繰上償還のリスクがあります。100億円以上あれば安心です。
ステップ4:実質コストを確認する(余裕があれば)
運用報告書で実質コストを確認します。ただし、人気ファンドであればそこまで神経質になる必要はありません。
ファンド選びの優先順位は「1.指数を決める → 2.信託報酬で比較 → 3.純資産総額を確認」です。この3ステップを押さえればまず失敗しません。
銀行で投資信託を買ってはいけない理由
銀行の窓口で投資信託を購入するのはおすすめしません。理由はシンプルで、コストが高いからです。
- 購入手数料がかかる(ネット証券なら無料)
- 信託報酬が高いファンドを勧められがち
- 銀行側の手数料収入が多いファンドが優先的に提案される
銀行の担当者は親切に対応してくれますが、それは手数料収入があるからこそです。ネット証券で自分でファンドを選んだほうが、長期的には何十万円もの差が生まれます。
「おすすめされたから」という理由で銀行窓口のファンドを購入すると、購入手数料だけで数万円を失い、さらに高い信託報酬が毎年かかり続けます。必ずネット証券で自分で選びましょう。
信託報酬の引き下げ競争について
近年、インデックスファンドの信託報酬引き下げ競争が激化しています。eMAXIS Slimシリーズ、楽天プラスシリーズ、SBI・Vシリーズなどが互いにコストを下げ合っている状況です。
これは投資家にとって非常にありがたい流れです。特にeMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準を目指す」と公言しているため、他社が値下げすれば追随する可能性が高く、長期保有の安心感があります。
よくある質問
Q. 信託報酬0.05%と0.1%の差は気にすべき?
正直なところ、0.05%の差であれば影響は小さいです。それよりも「そもそもインデックスファンドを選んでいるか」「年1%以上のアクティブファンドを避けているか」の方がはるかに重要です。
Q. アクティブファンドは手数料が高い分、リターンもいい?
残念ながら、長期的にインデックスファンドに勝てるアクティブファンドは全体の2〜3割程度です。高い手数料を支払っても、それに見合うリターンが得られる保証はありません。
Q. ETFとインデックスファンド、どちらが安い?
ETFの方が信託報酬が安い場合もありますが、売買手数料がかかったり、分配金の再投資が手動だったりとデメリットもあります。初心者の方はインデックスファンド(投資信託)の方が扱いやすいでしょう。

まとめ
投資信託の手数料比較で押さえておくべきポイントをまとめます。
- 最も重要なのは信託報酬。年0.1%以下が理想
- 購入手数料は無料(ノーロード)を選ぶ。ネット証券なら基本無料
- 同じ指数に連動するファンドの中で、最安のものを選ぶ
- 銀行窓口ではなく、ネット証券で購入する
- 手数料0.数%の差が、20年で数十万〜数百万円の差になる
「手数料なんて微々たるもの」と侮ってはいけません。長期投資において、コストの管理は自分でコントロールできる数少ない要素の一つです。賢くファンドを選んで、無駄なコストを省いていきましょう。
投資信託の基礎知識は投資信託協会で学べます。手数料を含む金融商品の注意点は金融庁の注意喚起ページで確認できます。各ファンドの詳細比較はモーニングスターが便利です。
※この記事の情報は執筆時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
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