投資信託を選ぶとき、「信託報酬って何パーセントなら安いの?」「どのくらいが妥当なの?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、長期の積立投資ならインデックスファンドで信託報酬0.2%以下を選ぶのが鉄板です。たった0.数%の差でも、20年・30年と積み重なると数百万円もの差になることがあります。
この記事では、投資信託の信託報酬の目安をタイプ別にわかりやすく整理し、「高い・安い」の判断基準や、長期投資でのインパクトまで詳しく解説していきます。

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信託報酬とは?なぜ重要なのか
信託報酬とは、投資信託を保有している間に毎日自動的に差し引かれる運用管理費用のことです。購入時に1回だけ払う手数料とは違い、持っている限りずっとかかり続けるのが特徴です。
たとえば信託報酬0.1%と1.0%の差は、年間で見ると0.9%。大したことがないように見えますが、20年、30年と積み重なると驚くほどの差額になります。投資信託を選ぶ際には、リターンよりも先に信託報酬をチェックする習慣をつけておきましょう。
信託報酬の目安|タイプ別の相場
投資信託の信託報酬は、ファンドのタイプによって大きく異なります。以下に目安をまとめました。
インデックスファンド(パッシブ型)
| ファンドの種類 | 信託報酬の目安 | 代表的なファンド |
|---|---|---|
| 国内株式(TOPIX連動など) | 0.1%〜0.2% | eMAXIS Slim 国内株式 |
| 先進国株式 | 0.09%〜0.2% | eMAXIS Slim 先進国株式 |
| 全世界株式 | 0.05%〜0.2% | eMAXIS Slim 全世界株式 |
| 米国株式(S&P500) | 0.07%〜0.1% | eMAXIS Slim 米国株式 |
| 新興国株式 | 0.15%〜0.4% | eMAXIS Slim 新興国株式 |
| 国内債券 | 0.1%〜0.2% | eMAXIS Slim 国内債券 |
| 先進国債券 | 0.1%〜0.2% | eMAXIS Slim 先進国債券 |
| バランス型 | 0.1%〜0.3% | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) |
アクティブファンド
| ファンドの種類 | 信託報酬の目安 |
|---|---|
| 国内株式アクティブ | 1.0%〜1.8% |
| 海外株式アクティブ | 1.5%〜2.0% |
| テーマ型(AI・ESGなど) | 1.0%〜2.0% |
ご覧の通り、インデックスファンドとアクティブファンドでは10倍以上の差があります。インデックスファンドの信託報酬は年々下がっていて、記事執筆時点では0.05%台のファンドまで登場しています。

「安い」「高い」の判断基準
具体的に、いくらなら安くていくらなら高いのか。ざっくりとした基準は以下の通りです。
- 0.1%以下:激安。文句なしの水準です
- 0.1%〜0.3%:安い。インデックスファンドならこのあたりが標準です
- 0.3%〜0.5%:やや高め。インデックスなら他に安いものがあるかもしれません
- 0.5%〜1.0%:高い。アクティブファンドならまだ許容範囲の場合もあります
- 1.0%以上:かなり高い。それに見合うパフォーマンスが出ているか要確認です
長期の積立投資であれば、インデックスファンドで信託報酬0.2%以下を選ぶのが基本中の基本です。これさえ押さえておけば、コスト面で大きな失敗をすることはありません。
信託報酬の差が長期投資に与える影響
「0.1%と1.0%の差なんて大したことないのでは」と思っている方も少なくないかもしれません。しかし、具体的な数字で見ると印象が大きく変わるはずです。
条件:月5万円を30年間、年利5%(税引前)で運用した場合
| 信託報酬 | 実質リターン | 30年後の資産額 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 0.1% | 4.9% | 約4,080万円 | — |
| 0.3% | 4.7% | 約3,925万円 | 約-155万円 |
| 0.5% | 4.5% | 約3,776万円 | 約-304万円 |
| 1.0% | 4.0% | 約3,470万円 | 約-610万円 |
| 1.5% | 3.5% | 約3,095万円 | 約-985万円 |
信託報酬0.1%と1.5%の差で、30年後には約985万円もの差が生まれます。同じ投資対象に同じ金額を積み立てているのに、コストが違うだけでこれだけ変わるのです。

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信託報酬以外にもチェックすべきコスト
投資信託のコストは信託報酬だけではありません。トータルで把握しておくことが大切です。
実質コスト
信託報酬は「明示されている運用管理費用」にすぎません。実際にはそれ以外にも売買委託手数料、有価証券取引税、保管費用などの「隠れコスト」がかかります。これらを含めた「実質コスト」は運用報告書で確認できます。
実質コストは信託報酬より0.01%〜0.1%程度高くなるのが一般的です。ファンド選びの際は、運用報告書で実質コストもチェックしておきましょう。
購入時手数料(販売手数料)
ネット証券であれば、ほとんどのインデックスファンドが購入時手数料ゼロ(ノーロード)です。一方、銀行の窓口で購入すると2〜3%の手数料がかかることもあります。100万円投資した場合、それだけで2〜3万円が差し引かれる計算です。
信託財産留保額
売却時に差し引かれる費用で、0.1%〜0.3%程度が一般的です。ただし最近は無料のファンドが多く、eMAXIS Slimシリーズはすべてゼロとなっています。
なぜアクティブファンドの信託報酬は高いのか
アクティブファンドはプロのファンドマネージャーが銘柄を選定・売買するため、人件費や調査費用がかかります。そのため信託報酬が高くなるのは、ある程度やむを得ない面もあります。
しかし問題は、高い信託報酬を支払ってもインデックスに勝てるアクティブファンドは少数派だということです。S&Pのデータ(SPIVA)によると、5年以上の期間で見ると、約7〜8割のアクティブファンドがインデックスに負けています。
もちろん優れたアクティブファンドも存在しますが、初心者がそれを見極めるのは容易ではありません。最初から信託報酬の安いインデックスファンドを選ぶのが、合理的な判断と言えるでしょう。
「信託報酬が高い=運用が上手い」とは限りません。コストが高いだけでリターンが伴わないファンドも多数存在するので、必ず過去の実績と合わせて確認してください。
信託報酬が安いおすすめファンド
記事執筆時点で信託報酬が安く、人気の高いファンドを紹介します。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):信託報酬 0.05775%
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):信託報酬 0.08140%
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス:信託報酬 0.09889%
- 楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド:信託報酬 0.0561%
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド:信託報酬 0.0938%
eMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準の運用コストを目指す」と明言しており、他社が値下げした場合には追随してくれる安心感があります。

まとめ|信託報酬は「0.2%以下」を基準に選ぼう
信託報酬について、押さえておくべきポイントをまとめます。
- 長期投資では信託報酬の差が数百万円の差になる
- インデックスファンドなら0.2%以下が目安
- eMAXIS SlimシリーズやSBI・Vシリーズが低コストの代表格
- 信託報酬だけでなく「実質コスト」もチェック
- アクティブファンドは高コストの割にインデックスに勝てないことが多い
投資で唯一コントロールできるのがコストです。リターンは予測できませんが、コストは自分で選ぶことができます。だからこそ、信託報酬にはしっかりこだわってファンドを選んでいきましょう。
各ファンドの信託報酬や実質コストはモーニングスターで比較できます。インデックスファンドの選び方をもっと詳しく知りたい方は投資信託協会のサイトが参考になります。また、金融庁のNISA特設サイトではつみたて投資枠の対象ファンド一覧も公開されています。
※この記事の情報は執筆時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
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