新NISAで投資を始めたものの、株価が急落すると「今のうちに売ったほうがいいのでは」と不安になってしまう方は少なくありません。特に投資を始めて間もない方にとって、資産が目に見えて減っていく経験は想像以上にストレスがかかるものです。
しかし、結論から申し上げると、暴落時にやるべきことは「何もしない」か「追加で買う」のどちらかです。パニック売りは、過去のデータから見ても最も損をする行動と言えます。
この記事では、過去の暴落事例と回復までの期間を振り返りながら、なぜ慌てて売ってはいけないのか、暴落が来た時に具体的にどう行動すべきかを解説します。投資を続けるうえでの心構えとして、ぜひ参考にしてください。
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過去の暴落と回復にかかった期間
まずは歴史を振り返ってみましょう。過去にどのような暴落があり、それぞれどれくらいの期間で回復したのかを見れば、暴落への恐怖はかなり和らぐはずです。
| 暴落イベント | 最大下落率 | 回復までの期間 |
|---|---|---|
| ITバブル崩壊(2000年) | 約-49% | 約7年 |
| リーマンショック(2008年) | 約-57% | 約5年半 |
| コロナショック(2020年) | 約-34% | 約5ヶ月 |
| 2022年米国株下落 | 約-25% | 約2年 |
リーマンショックのような歴史的な暴落でさえ、5年半で回復しています。コロナショックに至ってはわずか5ヶ月でした。そして何より重要なのは、どの暴落の後も、株価は暴落前の水準を超えて上昇しているという事実です。

パニック売りが最悪手である3つの理由
暴落時に慌てて売却すると、なぜ損をしてしまうのでしょうか。具体的な理由を3つ解説します。
理由1:損失が「確定」してしまう
含み損は、売却しない限りあくまで「含み」の状態です。紙の上の数字にすぎません。しかし売却した瞬間に損失が確定します。つまり、将来の回復によって利益を取り戻すチャンスを自ら放棄することになるのです。
投資の世界では「含み損は損ではない」という言葉があります。売らなければ損失にはならない、という意味です。暴落時にこそ、この考え方を思い出してください。
理由2:底値で売って高値で買い戻すことになりがち
「暴落時に売って、底を打ったら買い直せばいい」と考える方もいるかもしれません。しかし、これはプロの投資家でもほぼ不可能な行為です。
その理由は明確です。
- 底がどこかは、過ぎてみないと判断できない
- 暴落の直後は「まだ下がるかも」という恐怖心が勝って買えない
- 株価が回復し始めると「もう少し待とう」と様子見してしまう
- 気づいたときには元の水準を超えており、結局高値で買い直すことになる
これは投資の世界で「稲妻が輝く瞬間に市場にいない」問題と呼ばれています。株価が急回復するわずかな期間を逃すだけで、長期リターンは大幅に低下してしまうのです。
理由3:最もリターンが大きい日を逃してしまう
S&P500の過去20年間で、最もリターンが大きかった上位10日間を逃した場合、トータルリターンは約半分に減少するというデータがあります。たった10日間です。
しかも、その「最高の10日間」は暴落直後に集中する傾向があります。つまり、暴落で売って市場から離れると、最も美味しいリバウンドを丸ごと逃すことになるのです。

暴落時にやるべき5つのこと
暴落が来たとき、具体的にどのような行動を取ればよいのでしょうか。5つのポイントに分けて解説します。
1. 積立設定をそのまま継続する
これが最も重要な行動です。暴落時に積立を止めたり設定を変更したりするのは避けましょう。暴落時こそ安く購入できるチャンスだからです。
ドルコスト平均法(定額積立)の最大のメリットは、株価が下がったときに多くの口数を買えること。暴落時の積立は、将来の回復局面でリターンを大きく押し上げる重要な買い付けになります。新NISAの始め方は以下の記事でゼロから解説しています。

2. 余裕資金があれば追加投資を検討する
生活防衛資金を十分に確保したうえで、余裕資金がある方にとって、暴落はいわばバーゲンセールのようなものです。成長投資枠に余りがあれば、スポット買いで追加投資するのも有効な戦略です。
ただし、一度に大きな金額を投入するのではなく、数回に分けて購入することをおすすめします。「ここが底だ」と思っても、さらに下落する可能性は常にあるためです。
3. ニュースやSNSを見すぎない
暴落時のニュースやSNSは、不安を煽る情報であふれています。「○○ショック」「歴史的大暴落」といった見出しを繰り返し目にすると、冷静な判断が難しくなります。
長期投資を前提としている方にとって、日々の株価変動を追いかける必要はほとんどありません。月に1回程度の確認で十分です。情報との距離感を保つことも、投資を続けるうえで大切なスキルです。
4. 自分のリスク許容度を再確認する
暴落で眠れないほど不安を感じるのであれば、そもそもリスクを取りすぎている可能性があります。その場合は、暴落が落ち着いてからポートフォリオの見直しを検討しましょう。
具体的な見直し方法としては以下のような選択肢があります。
- 株式100%の構成から、債券を20〜30%組み入れる
- 投資額を減らして、現金の比率を高める
- 値動きの穏やかなバランスファンドに切り替える
リスク設定の見直しは、暴落の最中ではなく平時に行いましょう。暴落中に売却してリスクを下げると、最安値で手放すことになりかねません。
5. 投資の目的と期間を思い出す
そもそも何のために投資をしているのか、原点に立ち返ってみてください。老後資金、教育費、将来のための資産形成など、多くの方が10年以上先の目標に向けて投資をしているはずです。
10年以上先の目標に向けた積立投資であれば、途中の暴落は文字通り通過点にすぎません。今日の株価より、20年後の資産額のほうがはるかに重要です。


暴落は「お得に購入できるチャンス」と考える
少し視点を変えてみましょう。日用品が30%オフのセールだったら、多くの方は喜んで購入するのではないでしょうか。株式の暴落も、本質的にはそれと同じことです。
優良なインデックスファンドが30%引きで購入できる状況は、長期投資家にとってはむしろ歓迎すべきタイミングと言えます。
もちろん、投資対象が破綻するようなケースは話が別ですが、全世界株式や米国株式のインデックスファンドは何千もの企業に分散投資しています。これらがすべてゼロになるという事態はまず考えられません。
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暴落に備えた事前準備をしておこう
暴落は来てから対処するのではなく、平時から備えておくことが大切です。以下の3つの準備をしておくと、いざという時に冷静でいられます。
投資方針を書き出しておく
「暴落が来ても積立は続ける」「○○%下がっても売らない」といった投資方針を、冷静な状態のうちに書き出しておきましょう。暴落時に読み返すことで、感情的な判断を防ぐ効果があります。
生活防衛資金を必ず確保する
生活費の6ヶ月〜1年分は現金で保有しておくことをおすすめします。この資金があれば、「投資を切り崩さないと生活できない」という最悪の事態を避けることができます。
リスク許容度に合ったポートフォリオを組んでおく
30%の暴落が来ても落ち着いていられるかどうか、事前にシミュレーションしておきましょう。100万円投資して30万円の含み損が出ても平気か、500万円投資して150万円減っても耐えられるか。
「耐えられない」と感じた場合は、債券の比率を上げるなどの調整を今のうちに行っておくのが賢明です。新NISAの元本割れリスクと対策は以下の記事で解説しています。



暴落への備えは3つ。投資方針の明文化、生活防衛資金の確保、リスク許容度に合ったポートフォリオの構築です。この3つが揃っていれば、暴落が来ても慌てずに済みます。
まとめ:暴落はいつか必ず来る、でもいつか必ず終わる
暴落は投資を続ける限り、避けて通れないものです。しかし歴史が教えてくれるのは、暴落は必ず終わり、株価は暴落前の水準を超えて成長してきたという事実です。
暴落時にやるべきことはシンプルです。
- 積立を止めない
- 慌てて売らない
- 余裕があれば追加で購入する
- ニュースに振り回されない
新NISAは非課税で長期投資ができる優れた制度です。暴落を乗り越えてこそ、その恩恵を最大限に受けることができます。目先の値動きではなく、長期的な資産形成という本来の目的を見失わないようにしましょう。


参考リンク
- 金融庁|新しいNISA
- GPIF|長期的な観点からの運用(www.gpif.go.jp・サイト終了)
- myINDEX|インデックス投資のデータ
※記事執筆時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。投資にはリスクが伴います。当記事は特定の投資行動を推奨するものではありません。
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