「新NISAで元本割れしたらどうしよう」と不安を感じている方は少なくないのではないでしょうか。
最初にはっきりお伝えすると、新NISAで元本割れする可能性はあります。投資である以上、「絶対に損しない」ということはあり得ません。
しかし、重要なのは「元本割れする可能性があるかどうか」ではなく、「どれくらいの確率で起きるのか」「どうすれば確率を下げられるのか」です。この記事では、過去のデータに基づいて元本割れの確率を示しつつ、リスクを最小限にする方法を解説します。

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過去データで見る元本割れの確率
金融庁のデータや過去の市場データから、積立投資の保有期間と元本割れ確率の関係を見てみましょう。
全世界株式に積立投資した場合の元本割れ確率
| 保有期間 | 元本割れの確率(過去データベース) |
|---|---|
| 1年 | 約30〜40% |
| 5年 | 約15〜25% |
| 10年 | 約5〜10% |
| 15年 | 約2〜5% |
| 20年 | ほぼ0% |
注目すべきは、保有期間が長くなるほど元本割れの確率が劇的に下がるという点です。20年以上保有した場合、過去のどの時点で始めたとしても元本割れしていないというデータがあります(全世界株式の場合)。
金融庁のレポートでも裏付けられている
金融庁の「資産運用シミュレーション」でも、国内外の株式・債券に分散投資した場合、保有期間が20年を超えると元本割れのケースはゼロになるという分析結果が出ています。
もちろんこれは「過去のデータ」であり「未来も絶対にそうなる」という保証ではありません。しかし、長期投資の有効性を示す非常に心強いデータです。
元本割れしやすい4つのケース
1. 投資期間が短い
これが最大のリスク要因です。1〜3年の短期投資では、相場の変動をダイレクトに受けるため、元本割れの確率がかなり高くなります。新NISAは最低でも10年、できれば20年以上の長期投資を前提に考えましょう。
2. 一括投資で高値づかみ
まとまった資金を一気に投資すると、タイミングが悪ければ高値づかみになるリスクがあります。例えばITバブルのピークで一括投資していた場合、元本回復まで7年もかかった実績があります。
対策は積立投資(ドルコスト平均法)です。毎月定額を買い続けることで、購入タイミングの分散が図れます。
3. 集中投資している
個別株1銘柄に集中投資すると、その企業の業績悪化で大きなダメージを受ける可能性があります。最悪の場合、倒産によって価値がゼロになることもあり得ます。
インデックスファンドであれば数千銘柄に分散されているため、1社の影響は微小です。分散投資はリスク管理の基本中の基本です。
4. 暴落時にパニック売りする
暴落で含み損を抱えた時に慌てて売却すると、損失が確定してしまいます。歴史的に見て、暴落後は必ず回復しているため、売らずに持ち続けることが最善策です。

元本割れリスクを最小化する5つの方法
方法1:長期投資を徹底する
何度もお伝えしますが、これが最も重要です。15年以上の長期投資を前提にすれば、元本割れリスクは大幅に低減できます。「5年以内に使う予定のお金」は投資に回さないのが鉄則です。
方法2:分散投資する
地域や資産クラスを分散させましょう。具体的には以下のような方法があります。
- 地域分散:日本だけでなく、米国、欧州、新興国にも投資する
- 資産分散:株式だけでなく、債券やREITも組み入れる
全世界株式インデックスファンドであれば、1本で世界中の株式に分散投資できるため、初心者の方にはこれが最もシンプルでおすすめです。
方法3:積立投資を継続する
毎月一定額を買い続ける「ドルコスト平均法」は、高値づかみのリスクを軽減してくれます。株価が高い時は少なく、安い時は多く買えるため、平均購入単価が平準化されるのがポイントです。
方法4:低コストのインデックスファンドを選ぶ
信託報酬(運用コスト)が高いファンドは、その分リターンが削られます。信託報酬0.1%台のファンドを選びましょう。eMAXIS Slimシリーズなどが代表的です。
方法5:リスク許容度に合ったポートフォリオにする
リスクが怖い場合は、債券を組み入れることで値動きを穏やかにできます。株式と債券の比率の目安は以下の通りです。
- 積極型:株式100%(リターン大、リスク大)
- 標準型:株式70%:債券30%
- 安定型:株式50%:債券50%(リターン小、リスク小)
暴落時に30%の下落に耐えられるかどうかを想像してみてください。難しいと感じるなら、債券比率を上げた方が安心です。
- 15年以上の長期保有で元本割れリスクは大幅に低下
- 全世界株式ファンド1本で手軽に分散投資が可能
- 暴落時に売らないことが最善のリスク管理
- リスクが怖いなら債券を組み入れてバランスを取る
元本割れしたらどうすればいい?
万が一、元本割れが起きた場合の対処法も知っておきましょう。
絶対にやってはいけないこと
- パニック売り
- 積立の停止
- ハイリスク商品への乗り換え(損失を取り返そうとする行動)
やるべきこと
- 何もしない(積立をそのまま継続する)
- 余裕があれば追加投資(安く買えるチャンスと捉える)
- 投資方針を再確認して、冷静さを保つ
含み損は「まだ損していない」状態です。売却しなければ、将来の回復で利益に転じる可能性が高いということを忘れないでください。

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新NISAの「非課税」が元本割れリスクを和らげる理由
実は新NISAの非課税メリットは、元本割れリスクの軽減にも間接的につながっています。
通常の課税口座だと利益に20.315%の税金がかかりますが、新NISAならゼロです。つまり同じリターンでも手取りが多くなるため、元本を超えるハードルが低くなるのです。
例えば年利5%で20年間運用した場合の比較です。
- 課税口座:実質リターン約3.98%(税引後)
- 新NISA:実質リターン5%(非課税)
この約1%の差が20年間積み重なると、最終的な資産額に非常に大きな差が生まれます。非課税であること自体が、元本割れしにくくなる要因の一つなのです。
「投資しないリスク」も忘れずに
元本割れが怖くて投資を始められない方は多いですが、「投資しないリスク」も同時に考える必要があります。
インフレが進めば、銀行預金に置いているだけでお金の実質的な価値は目減りしていきます。年2%のインフレが20年続くと、100万円の購買力は約67万円まで下がります。「何もしないことがノーリスク」という考え方は、実は正しくないのです。
投資にはリスクが伴いますが、インフレ環境下では「何も投資しない」ことも実質的な資産減少リスクを抱えています。リスクをゼロにすることは不可能ですが、正しい知識と方法でコントロールすることは可能です。
まとめ:元本割れは怖いけれど、正しく対処すれば大丈夫
元本割れのリスクをゼロにすることはできません。しかし、以下のポイントを押さえれば、リスクを大幅に抑えることが可能です。
- 20年以上の長期投資であれば、過去データでは元本割れほぼゼロ
- 分散投資×積立投資でリスクは大幅に軽減できる
- 暴落時に売らなければ、回復する可能性は極めて高い
- 新NISAの非課税メリットが、元本を超えるハードルを下げてくれる
正しい知識を持って、正しいやり方で投資すれば、元本割れの恐怖は限りなく小さくできます。怖がりすぎず、でも油断しすぎず、長期的な視点で資産を育てていきましょう。
新NISAの制度詳細は金融庁の新NISA特設ページで確認できます。分散投資の考え方についてはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の解説ページも参考になります。投資の基礎学習には日本証券業協会の学習コンテンツもおすすめです。
※この記事の情報は記事執筆時点のものです。投資は自己責任で行ってください。当記事は特定の投資行動を推奨するものではありません。
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