「リバランスって聞いたことはあるけど、具体的に何をすればいいの?」という疑問を持っている方は少なくありません。
リバランスとは、崩れた資産配分を元の比率に戻すメンテナンス作業のことです。車の車検と同じように、やらなくても一応問題はないように見えますが、やったほうが安全で効率的な運用ができます。
この記事では、投資信託のリバランスについて、やり方・頻度・タイミングまで初心者の方にもわかるように解説していきます。

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リバランスとは何か?わかりやすく解説
リバランスとは、崩れた資産配分を元の目標比率に戻すことです。
例えば、最初に「株式70%:債券30%」の比率で投資を始めたとします。1年後に株が好調で「株式80%:債券20%」になっていた場合、株を一部売って債券を買い増し、元の「70%:30%」に戻します。これがリバランスです。
「好調な株を売るのはもったいないのでは?」と思うかもしれませんが、これには合理的な理由があります。
なぜリバランスが必要なのか
理由1:リスクのコントロール
株式の比率が上がりすぎると、ポートフォリオ全体のリスクが想定以上に高くなります。暴落時のダメージが大きくなるため、自分が許容できるリスク水準を保つために、リバランスは重要です。特に退職が近い方など、大きな損失を出せない状況にある方にとっては必須の作業と言えます。
理由2:「安く買って高く売る」が自動的にできる
リバランスは本質的に、「値上がりした資産を売って、相対的に安い資産を買う」という行為です。これは投資の基本中の基本であり、感情に左右されずに機械的にこれを実行できるのがリバランスの大きなメリットです。
理由3:長期リターンの改善
研究によると、定期的なリバランスを行ったポートフォリオは、放置したポートフォリオよりもリスク調整後のリターンが良くなる傾向があることが示されています。
リバランスの具体的な3つのやり方
方法1:売却型リバランス
比率が上がった資産を売って、比率が下がった資産を買い増す方法です。
具体例:
| 項目 | 目標配分 | 現在の状態 | 調整後 |
|---|---|---|---|
| 株式 | 210万円(70%) | 240万円(80%) | 210万円(70%) |
| 債券 | 90万円(30%) | 60万円(20%) | 90万円(30%) |
| 合計 | 300万円 | 300万円 | 300万円 |
株式を30万円分売却し、債券を30万円分購入することで目標配分に戻ります。シンプルでわかりやすい方法です。
方法2:追加投資型リバランス(ノーセル・リバランス)
売却せずに、比率が低い資産を買い増して調整する方法です。売却しないため税金がかからないのがメリットです。
具体例:
上記と同じ状態(株式240万円、債券60万円)の場合、債券だけを買い増して比率を調整します。
- 株式240万円÷0.7 = 約343万円が目標総資産額
- 債券は343万円×0.3 = 約103万円が必要
- 債券を約43万円買い増す
追加投資できる資金がある場合は、この方法がおすすめです。
方法3:積立配分の調整
毎月の積立額の配分を変えることで、徐々にリバランスする方法です。最も穏やかなやり方と言えます。
例えば、株式の比率が高くなりすぎていた場合、次の数ヶ月は債券の積立比率を高めに設定します。時間はかかりますが、売却を伴わないため税金の心配がありません。

リバランスの頻度はどれくらいがベスト?
おすすめは「年1回」
結論から言うと、年1回で十分です。研究でも、月次や四半期ごとのリバランスと年次のリバランスで、リターンに大きな差はないとされています。
やりすぎると売買コストや税金がかさみますし、手間もかかります。年に1回、自分の誕生日や年末年始など、決まったタイミングで実施するのがおすすめです。
「乖離率」で判断するパターンもある
「目標配分から5%以上ずれたらリバランスする」というルールを事前に決めておく方法もあります。例えば、株式の目標が70%なのに75%を超えたらリバランス発動、というイメージです。
市場が大きく動いたときにだけリバランスすることになるため、効率が良いとされています。
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新NISAでのリバランスの注意点
注意点1:売却すると非課税枠を消費する
新NISAの枠内でリバランスのために売却すると、その分の非課税枠を使ってしまいます。翌年に枠は復活しますが、年間の投資枠には上限があります(年360万円)。
新NISA内では、できるだけ売却せずに追加投資でリバランスする方法がおすすめです。非課税枠を無駄にしないためにも、売却型リバランスは課税口座側で行うことを検討しましょう。
注意点2:オルカン1本ならリバランスは不要
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のような全世界株式ファンド1本だけで投資している場合、リバランスは不要です。ファンド内部で自動的に調整されるため、投資家が自分でリバランスする必要はありません。
リバランスが必要になるのは、複数のファンドや資産クラスを組み合わせている場合です。
注意点3:NISA口座と課税口座をまたいだリバランス
NISA口座と課税口座の両方で投資している場合、リバランスがやや複雑になります。基本的にはNISA口座のほうが税制的に有利なため、NISA口座の資産はなるべく売らずに、課税口座側で調整するのが賢い方法です。
オルカン1本の方にリバランスは必要か?
「オルカン1本で積み立てているけど、リバランスは必要?」という質問はよく見かけます。
答えはNOです。オルカン(全世界株式ファンド)はファンドの中で世界中の株式に時価総額加重で投資しており、自動的にリバランスされています。
ただし、「株式100%だとリスクが高すぎるから債券も持ちたい」という場合は、株式ファンドと債券ファンドの間でリバランスが必要になります。自分のリスク許容度に合わせて判断しましょう。

リバランスをやりやすくする3つのコツ
コツ1:スプレッドシートで管理する
自分のポートフォリオの現在の配分と目標配分をスプレッドシートで管理しておくと、リバランスの計算が格段に楽になります。Googleスプレッドシートなら無料で使えます。
コツ2:カレンダーにリマインダーを入れる
年1回のリバランスは忘れがちです。スマホのカレンダーに「リバランスの日」を登録しておきましょう。自分の誕生日や年末など、覚えやすい日に設定するのがおすすめです。
コツ3:バランスファンドを使う手もある
「リバランスが面倒」という方は、最初からバランスファンド(株式と債券が自動でリバランスされるファンド)を選ぶ方法もあります。ただし、信託報酬がやや高めになる傾向がある点は理解しておきましょう。
まとめ:リバランスはシンプルに考えればOK
- リバランスは「崩れた資産配分を元に戻す」メンテナンス作業
- 頻度は年1回で十分
- できれば売却せずに追加投資で調整するのが税金的にお得
- オルカン1本ならリバランス不要
- 新NISAでは非課税枠を無駄にしないよう注意する
リバランスは難しく考える必要はありません。「年に1回ポートフォリオをチェックして、ずれていたら調整する」。これだけです。投資は始めた後のメンテナンスも大切ですが、シンプルなルールを決めておけば、無理なく続けていくことができます。

資産運用の基本は金融庁の新NISA特設ページで詳しく解説されています。投資の基礎知識は日本証券業協会「投資の時間」もおすすめです。ポートフォリオの考え方については金融広報中央委員会「知るぽると」も参考になります。
※この記事の情報は記事執筆時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
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