「新NISAは非課税だし、やらない理由がないのでは?」と思っている方も多いかもしれません。確かに新NISAは素晴らしい制度ですが、デメリットや注意点を知らずに始めると痛い目に遭う可能性もあります。
この記事では、新NISAの「良くない部分」にフォーカスして解説します。メリットばかりが語られがちですが、デメリットをきちんと理解した上で始めるのが賢い投資家への第一歩です。

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新NISAの基本をおさらい
新NISAは少額投資非課税制度として、大きな注目を集めています。主な特徴は以下の通りです。
- 非課税保有限度額:1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)
- 年間投資枠:360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)
- 非課税期間:無期限
- 制度の恒久化:いつでも始められます
一見すると最高の制度に見えますが、ここからが本題です。デメリットを一つずつ見ていきましょう。
デメリット1:損益通算・繰越控除ができない
これが新NISAの最大のデメリットと言っても過言ではありません。
通常の課税口座(特定口座)であれば、投資で損失が出た場合に他の利益と相殺(損益通算)できますし、損失を3年間繰り越すことも可能です。しかし、NISA口座ではこれが一切できません。
例えば、NISA口座で50万円の損失が出て、特定口座で50万円の利益が出た場合。本来であれば相殺してプラスマイナスゼロにできるのに、NISA口座の損失は「なかったこと」になります。つまり、特定口座の50万円の利益にはしっかり約20%の税金がかかるのです。
このデメリットを理解していないと、思わぬ税負担に直面する可能性があります。
デメリット2:元本割れのリスクは当然ある
「NISAだから安全」ということは一切ありません。投資である以上、元本割れのリスクは必ず伴います。
非課税なのは利益に対する税金だけであり、元本を保証してくれる仕組みではありません。リーマンショック級の暴落が来れば、積み立てた資産が半分近くまで目減りすることも現実にあり得ます。
金融庁のNISA特設サイトでも、投資にはリスクがあることが明記されています。制度のメリットに目がいきがちですが、投資の基本であるリスク管理を忘れないようにしましょう。
デメリット3:投資できる商品に制限がある
新NISAでは何でも購入できるわけではありません。
つみたて投資枠で購入できるのは、金融庁が定めた基準を満たした投資信託・ETFのみです。個別株は購入できません。
成長投資枠は比較的自由度が高いものの、レバレッジ型やデリバティブ取引を用いた一部の商品は対象外になっています。
「この銘柄をNISAで購入したい」と思っても対象外というケースがあるため、事前に確認することが大切です。

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デメリット4:年間投資枠に上限がある
年間360万円と聞くと十分に感じるかもしれませんが、まとまった資金がある方にとっては物足りない面があります。
例えば退職金で2,000万円を一括投資したいと思っても、NISAでは年間360万円までしか投資できません。1,800万円の枠を埋めるのに最短でも5年かかる計算です。急いで投資したい方にとっては、もどかしい制度設計と言えるでしょう。
デメリット5:短期売買には向かない
新NISAの非課税枠は、売却すると翌年に復活する仕組みですが、頻繁に売買すると枠の管理が煩雑になります。そもそも短期売買で安定的に利益を出すのは非常に難しく、制度の設計思想としても長期・積立・分散投資が前提になっています。
デイトレードのような使い方は想定されていないため、短期売買を考えている方は通常の特定口座の方が適しています。
デメリット6:一人一口座しか開設できない
NISA口座は1人につき1つの金融機関でしか開設できません。「A証券でつみたて投資枠、B証券で成長投資枠」のような使い分けは不可能です。
金融機関の変更は年に1回可能ですが、手続きが面倒ですし、変更前の口座で保有している商品はそのまま残ります(新しい口座への移管はできません)。最初の証券会社選びが重要になる理由はここにあります。
デメリット7:海外転勤・移住で使えなくなる可能性
意外と見落としがちなのがこのポイントです。海外に住所を移すとNISA口座が使えなくなる場合があります。
一部の証券会社では海外赴任中も口座を維持できるサービスがありますが、新規の買い付けはできないケースがほとんどです。グローバルに活躍する方は、この点を事前に確認しておく必要があります。

よくある「勘違い」にも注意
勘違い1:NISAで投資すれば必ず儲かる
NISAは「利益が非課税になる制度」であり、利益を保証するものではありません。制度の優遇と投資成績は全くの別物です。
勘違い2:1,800万円を超えたら課税される
1,800万円の枠内で保有している商品の利益は、いくら増えても非課税です。1,800万円が2,500万円に増えても、その利益700万円は非課税のまま。上限があるのは「投資元本の累計」の話であり、含み益には関係ありません。
勘違い3:旧NISAの枠も新NISAに引き継がれる
旧NISAと新NISAは完全に別制度です。旧NISAの非課税期間が終了しても、新NISAに自動でロールオーバーされることはありません。金融庁の新NISA解説ページで詳しい情報を確認できます。
「NISAだから安心」と過信するのは危険です。NISAはあくまで税制優遇制度であり、投資そのもののリスクは通常の口座と変わりません。正しい知識を持った上で活用しましょう。
それでも新NISAを使うべき理由
ここまでデメリットを並べてきましたが、正直なところ新NISAを使わない理由はほとんどないというのが率直な意見です。
通常なら投資の利益に約20%の税金がかかるところ、NISAなら0%。100万円の利益であれば約20万円の節税です。この差は長期になるほど大きくなっていきます。
デメリットがあるのは事実ですが、それを理解した上で活用すれば、やはり最強クラスの制度であることに変わりはありません。
新NISAのデメリットへの対策
- 損益通算できない問題:NISAでは長期保有前提の商品を選び、損失リスクそのものを減らす
- 元本割れリスク:分散投資+長期投資で軽減。生活防衛資金は投資とは別で確保する
- 商品の制限:つみたて投資枠は優良ファンドが揃っているため、むしろ選びやすい
- 枠の上限:NISAで足りない分は特定口座を併用する
まとめ:デメリットを知って「賢く」使おう
新NISAのデメリットをまとめると以下の7つです。
- 損益通算・繰越控除ができない
- 元本割れリスクがある
- 投資できる商品に制限がある
- 年間投資枠に上限がある
- 短期売買には向かない
- 一人一口座しか開設できない
- 海外転勤で使えなくなる可能性がある
とはいえ、これらのデメリットを差し引いても、新NISAは記事執筆時点で最もお得な投資制度であることに変わりはありません。大切なのは「知らなかった」で後悔しないこと。デメリットを理解した上で、自分に合った使い方を見つけていきましょう。
投資に関する最新情報は日本証券業協会のサイトで確認できます。金融リテラシー全般については金融広報中央委員会(知るぽると)の情報も参考になります。
※この記事の情報は記事執筆時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
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