「新NISAを始めたいけれど、毎月いくら積み立てればよいのかわからない」。この悩みを抱えている方は非常に多いのではないでしょうか。
ネット上では「月10万円が理想」「満額の月30万円を目指すべき」といった意見も見られますが、正解は人それぞれ異なります。無理をして生活費を削ってまで投資に回すのは本末転倒です。大切なのは、自分の生活に合った金額で長く続けることです。
この記事では、年収や年代に応じた「無理なく続けられる積立額の目安」を具体的に紹介します。積立額を決めるためのステップや、金額別のシミュレーション結果もあわせて解説しますので、投資計画を立てる際の参考にしてください。
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新NISAの積立上限をおさらい
まずは新NISAの投資枠を確認しておきましょう。
| 枠 | 年間上限 | 月換算 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円 | 10万円 |
| 成長投資枠 | 240万円 | 20万円 |
| 合計 | 360万円 | 30万円 |
生涯投資枠は1,800万円です。月30万円ずつ積み立てれば5年で使い切れる計算ですが、焦って枠を埋める必要はまったくありません。20年・30年かけてゆっくり埋めていっても問題ないのが新NISAの良いところです。非課税期間が無期限であるため、自分のペースで活用できます。

積立額を決める3つのステップ
具体的な金額を決める前に、以下の3つのステップを踏んでおくと安心です。
ステップ1:生活防衛資金を確保する
投資を始める前に、まず生活費の3〜6ヶ月分を現金で確保しておきましょう。これを「生活防衛資金」と呼び、急な出費や収入の途絶えに備えるためのお金です。
たとえば月の生活費が20万円であれば、60万〜120万円は銀行口座に残しておくことをおすすめします。この安全網があってこそ、安心して投資に取り組めます。
ステップ2:毎月の収支を把握する
手取り収入から生活費を引いた「余裕資金」がいくらあるか、まず正確に把握しましょう。
収入 − 生活費 − 生活防衛資金の積立分 = 投資に回せる金額
この「投資に回せる金額」の全額を投入するのではなく、70〜80%程度にしておくのがコツです。残りは突発的な出費や趣味・娯楽に使えるようにしておくと、精神的にも余裕が生まれます。
ステップ3:無理のない金額を設定する
投資額を増やしたいがために節約しすぎて生活の質が下がるのであれば、それは本末転倒です。「この金額なら、もし減ったとしても生活に影響しない」と思える額が、自分にとって適正な積立額です。
積立額を決める順番は「生活防衛資金の確保→収支の把握→余裕資金の70〜80%」です。この手順を踏めば、無理のない金額が見えてきます。
年収別の積立額目安
それでは年収帯ごとに、目安となる積立額を見ていきましょう。あくまで参考値ですので、ご自身の状況に合わせて調整してください。
年収300万円(手取り約240万円/月約20万円)
おすすめ積立額:月1万〜2万円
「少なすぎるのでは」と感じるかもしれませんが、まったく問題ありません。月1万円を年利5%で30年間積み立てると約830万円になります。まずは月1万円からスタートして、昇給に合わせて徐々に増やしていくのがおすすめです。
年収400万円(手取り約320万円/月約27万円)
おすすめ積立額:月2万〜5万円
一人暮らしの方なら月3〜5万円、家族がいる方なら月2〜3万円が現実的なラインになります。
年収500万円(手取り約400万円/月約33万円)
おすすめ積立額:月3万〜7万円
この年収帯では、月5万円が一つの目安になります。月5万円を年利5%で30年運用すると約4,160万円。老後の資産としてもかなり心強い金額です。
年収700万円(手取り約530万円/月約44万円)
おすすめ積立額:月5万〜10万円
つみたて投資枠の上限である月10万円をフル活用できる年収帯です。余裕があれば成長投資枠の活用も検討してみてください。
年収1,000万円以上(手取り約700万円/月約58万円)
おすすめ積立額:月10万〜30万円
年間360万円の枠を使い切ることも視野に入る年収帯です。ただし「使い切れるから使い切る」ではなく、あくまで余裕資金の範囲内で計画的に進めましょう。

年代別の積立額目安
20代:月1万〜3万円
20代の最大の武器は「時間」です。金額が少なくても、30年40年という長い投資期間が複利効果を最大限に発揮してくれます。月2万円を40年間(年利5%)積み立てると、約3,050万円になる計算です。時間の力は想像以上に大きいものです。
30代:月3万〜7万円
収入が増えてくる30代は、積立額を増やすチャンスです。結婚や子育てで支出も増えるタイミングですが、「先取り貯蓄」の感覚で給料日に自動引き落としを設定しておくと、確実に投資を続けられます。
40代:月5万〜10万円
老後まで20年ほど。資産形成に使える時間はまだ十分にあります。子どもの教育費との兼ね合いを見ながら、できる範囲で積立額を増やしていきましょう。
50代:月5万〜15万円
収入のピークを迎える方も多い50代です。定年後の生活を見据えて、ラストスパートで積立を加速させるのも一つの戦略です。ただし、退職後に収入が急減するリスクも考慮し、無理のない範囲で設定してください。
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積立額別シミュレーション(年利5%・30年間)
積立額ごとの最終金額を一覧で比較してみましょう。
| 月の積立額 | 元本合計 | 運用益 | 最終金額 |
|---|---|---|---|
| 月1万円 | 360万円 | 約472万円 | 約832万円 |
| 月3万円 | 1,080万円 | 約1,416万円 | 約2,497万円 |
| 月5万円 | 1,800万円 | 約2,361万円 | 約4,161万円 |
| 月10万円 | 3,600万円 | 約4,721万円 | 約8,322万円 |
| 月30万円 | 10,800万円 | 約14,164万円 | 約24,965万円 |
※年利5%は全世界株式の過去平均に基づいた仮定値であり、将来のリターンを保証するものではありません。
月5万円でも30年で4,000万円超えになります。多くの方にとって、老後の不安を解消するのに十分な金額と言えるでしょう。

「月1万円では意味がない」は大きな間違い
「少額投資なんて意味がない」という意見を見かけることがありますが、これは完全な誤りです。
月1万円でも30年で832万円。銀行預金に入れたままだと360万円のままですから、472万円もの差が生まれます。この差を「意味がない」とは言えないはずです。
大切なのは金額の大小ではなく、投資を始めるかどうかです。月1,000円であっても始める価値は十分にあります。まずは一歩を踏み出すことが、将来の資産形成への最大の投資です。
積立額は途中で変更しても問題なし
積立額は固定する必要はありません。むしろライフステージに合わせて柔軟に変更すべきです。
- 転職で収入が下がった場合:積立額を減らす
- 昇給した場合:積立額を増やす
- 子どもが独立した場合:一気に積立額をアップ
- 急な出費が発生した場合:一時的に積立を停止
主要なネット証券であれば、積立額の変更や一時停止はオンラインで簡単に手続きできます。無理せず続けることを最優先に考えましょう。
ボーナスを活用した増額設定もおすすめ
毎月の積立額は控えめに抑えておいて、ボーナス月に増額設定するのも賢い方法です。
たとえば通常月は月3万円、ボーナス月(6月・12月)だけ月15万円に増額すれば、年間の積立額は3万円×10ヶ月+15万円×2ヶ月=60万円になります。
SBI証券・楽天証券のいずれもボーナス月の増額設定に対応していますので、ぜひ活用してみてください。
ボーナス月の増額設定を使えば、毎月の負担を抑えながら年間の投資額を増やすことができます。生活へのインパクトを最小限にする有効な手段です。
まとめ:「手取りの10〜20%」を目安に始めてみよう
結論として、手取り収入の10〜20%を積立に回すのが一つの目安です。
- 手取り20万円:月2万〜4万円
- 手取り30万円:月3万〜6万円
- 手取り40万円:月4万〜8万円
最初は少額からスタートして、慣れてきたら徐々に増やしていくのが最もストレスなく続けられる方法です。投資は長距離マラソンですから、自分のペースで走り続けることが何よりも大切です。
資産形成の計画を立てる際には、金融庁の資産運用シミュレーションが便利です。積立額・期間・利回りを入力するだけで将来の資産額を計算できます。家計の見直し方法については金融広報中央委員会の「知るぽると」にわかりやすい情報がまとまっていますので、あわせてご覧ください。
※記事執筆時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。投資にはリスクが伴います。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
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