新NISAには1人あたり1,800万円の非課税保有限度額が設けられています。これを夫婦2人分で活用すれば、合計3,600万円を非課税で運用できることをご存じでしょうか。年間投資枠も夫婦合わせて720万円と、非常に大きな金額になります。
夫婦で新NISAに取り組むことで、非課税枠が2倍になるだけでなく、家計全体でのリスク分散も可能になります。お互いに異なる銘柄や資産クラスに投資すれば、より安定したポートフォリオを構築できます。
この記事では、夫婦で新NISAを活用した場合の具体的なシミュレーション結果や、3つの投資戦略パターン、そして見落としがちな贈与税の注意点まで、丁寧に解説します。
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夫婦で新NISAを使う最大のメリット
非課税枠が単純に2倍になる
新NISAの非課税保有限度額は1人1,800万円。夫婦であれば合計3,600万円です。年間投資枠も1人360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)ですので、夫婦合わせて年間720万円まで非課税で投資できます。
3,600万円を年利5%で運用して得た利益にかかる税金を考えると、夫婦で活用することで数百万円単位の節税効果が期待できます。
家計全体でリスク分散ができる
夫婦で別々の銘柄や資産クラスに投資すれば、家計全体としてのリスク分散が実現します。たとえば、一方がS&P500をメインに、もう一方がオルカンをメインに運用するといった役割分担が可能です。

夫婦の新NISA活用シミュレーション
パターン1:夫婦で月10万円ずつ(合計月20万円)
年利5%で20年間積み立てた場合のシミュレーション結果です。
- 投資元本:4,800万円(240万円×20年)
- 運用結果:約8,220万円
- 利益:約3,420万円
- 節税効果:約695万円(通常であれば20.315%の税金がかかる)
月20万円はハードルが高いと感じるかもしれませんが、共働き夫婦であればボーナスも含めて検討する価値は十分にあります。
パターン2:夫が月5万円、妻が月3万円(合計月8万円)
より現実的な積立額で、年利5%・20年間のシミュレーションです。
- 投資元本:1,920万円
- 運用結果:約3,288万円
- 利益:約1,368万円
- 節税効果:約278万円
月8万円の積立でも20年間続ければ3,000万円を超える資産を築けます。無理のない金額から始めて、長く続けることが最も大切です。

パターン3:専業主婦(主夫)家庭で月5万円
片方が専業主婦(主夫)の場合でも、新NISAの口座開設は可能です。収入の有無は問われません。
ただし注意点があります。配偶者の収入から相手の口座に資金を移して投資する場合、年間110万円を超えると贈与税がかかる可能性があります。つみたて投資枠の月10万円(年120万円)だと贈与税の基礎控除額を超えてしまうため、月9万円程度に抑えるか、生活費からの捻出という形で整理するのが無難です。
贈与税の詳細については国税庁のページでご確認ください。
夫婦の新NISA戦略パターン
戦略1:同じ銘柄で攻める「シンプル戦略」
夫婦ともにオルカンまたはS&P500に投資するシンプルな方法です。管理が容易で、夫婦間で投資の話題を共有しやすいメリットがあります。投資初心者のご夫婦には特におすすめの戦略です。
戦略2:役割分担する「バランス戦略」
- 夫:つみたて投資枠でS&P500、成長投資枠で個別株や高配当ETF
- 妻:つみたて投資枠でオルカン、成長投資枠で債券ファンドやREIT
家計全体でバランスの取れたポートフォリオを構築できます。投資にある程度慣れてきたご夫婦に向いている戦略です。
戦略3:年齢差を活かす「時間差戦略」
夫婦間に年齢差がある場合、退職時期やリスク許容度の違いを活かした運用が可能です。たとえば、退職が近い方は安定運用を重視し、まだ時間に余裕がある方は成長株を中心に投資するといった使い分けができます。
夫婦で新NISAを始める具体的なステップ
ステップ1:夫婦それぞれの証券口座を開設する
新NISAの口座は1人1つしか持てません。夫婦それぞれが自分名義の口座を開設しましょう。同じ証券会社でも別々の証券会社でも問題ありません。
ステップ2:家計の投資可能額を把握する
まず家計の収支を洗い出し、毎月いくら投資に回せるかを計算します。
- 生活費の3〜6ヶ月分の緊急予備資金を確保する
- 近い将来使う予定のお金(住宅購入、教育費など)は投資に回さない
- 残った「本当の余裕資金」を投資に充てる

ステップ3:夫婦で投資方針を話し合う
投資は長期戦ですので、夫婦の考えが揃っていないと途中でトラブルの原因になります。以下の点について事前に話し合っておきましょう。
- 何のために投資するのか(老後資金?教育費?)
- どれくらいのリスクを許容できるのか
- 暴落時にどう対応するか(売らずに持ち続ける約束をしておく)
ステップ4:積立設定をして放置する
銘柄と金額を決めたら、自動積立設定を行って基本的に放置します。毎日チャートを確認する必要はありません。月1回程度の確認で十分です。
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夫婦で新NISAを使う際の注意点
注意点1:贈与税に注意する
一方の配偶者からもう一方に年間110万円を超える資金移動があると、贈与税の対象となる可能性があります。生活費の中から各自が投資する分には問題ありませんが、まとまった金額を移す場合は注意が必要です。
注意点2:万が一の離婚時のリスクを理解しておく
NISA口座の資産は名義人のものです。離婚時の財産分与の対象にはなりますが、NISAの非課税メリットは名義人にしか適用されません。この点は頭の片隅に入れておくとよいでしょう。
注意点3:夫婦で一緒に取り組む
片方だけが投資に熱心で、もう片方が全く関心を持たない状態は避けたいところです。できれば夫婦で一緒に学び、投資方針を共有するのが理想的です。
贈与税の基礎控除額は年間110万円です。専業主婦(主夫)家庭で配偶者名義の口座に資金を移す場合は、この金額を超えないよう計画的に行いましょう。
老後2,000万円問題は夫婦の新NISAで解決できる
かつて話題になった「老後2,000万円問題」も、夫婦で新NISAを活用すれば十分に対応可能です。
月5万円ずつ(合計月10万円)を年利5%で20年間積み立てると、約4,110万円になります。老後2,000万円どころか、4,000万円を超える資産を築ける計算です。
もちろん将来のリターンは保証されていませんが、何もしないまま不安を抱え続けるよりも、計画的に行動するほうが合理的です。金融庁の新NISA制度ページも参考にしながら、夫婦で一歩を踏み出してみてください。

まとめ:夫婦の新NISAは非常に強力な資産形成ツール
- 夫婦で非課税枠は合計3,600万円、年間投資枠は720万円
- 月8万円の積立でも20年で3,000万円超えが目指せる
- 贈与税には注意(年間110万円の壁)
- 夫婦で投資方針を共有することが長続きの秘訣
- まずは少額からでも、2人分の口座開設から始めましょう
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夫婦でともに資産形成に取り組むことで、将来のお金の不安を大きく軽減できます。日本証券業協会「投資の時間」(www.jsda.or.jp・サイト終了)では投資初心者向けの情報が充実していますので、ご夫婦で一緒に学ぶ教材としてもおすすめです。
※記事執筆時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
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